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“コーヒーの濃さ”を簡単に調節できるドリッパー『ドリルドリッパー』

KOANDRO株式会社代表取締役 大澤広輔氏

SUMMARY ・簡単なアタッチメントの交換でコーヒーの濃さを調節
・本当においしい味が求められる時代の到来
・フォースウェーブを牽引する存在となるために

―簡単なアタッチメントの交換でコーヒーの濃さを調節

 私は以前、ドイツに本社を置くコーヒー機器の総合メーカー、メリタジャパンでマーケティング部のプロダクトマネージャーとして市場調査や分析、商品開発を手掛けていました。市場への理解を進めるにつれて、コーヒー消費者の好みは昔より多様化しているにもかかわらず、ツールであるドリッパーはここ数十年改良されていないことに気付きました。ハンドドリップで入れるコーヒーは細かなニュアンスまで自分好みに近付けることができる反面、入れ方次第で味わいが大きく変わってしまう繊細なものです。誰もが自宅で簡単においしいコーヒーを味わうことができる “コーヒードリッパー”を開発しようと思い、起業しました。

ドリルドリッパー
ドリルドリッパー

 当社はコーヒーの濃さを一台で3段階調整できるコーヒードリッパーを販売しています。第一号として2016年11月に販売を開始した九谷焼の『FUJIコーヒードリッパー』(定価税込1万5,800円)に続き、2018年11月からプラスチック製でより手頃な『ドリルドリッパー』(定価税込2,500円)の販売を開始しました。これら製品の特長は、簡単なアタッチメントの交換によってお湯の落ちる速度を変化させ、3パターンのコーヒーの濃さを味わうことができる点です。自分でお湯を入れる速度や量さを調整する必要がなく、家庭で手軽においしいコーヒーを味わうことができるドリッパーのため、日々の生活でコーヒーを楽しむきかっけになればうれしく思います。


―変化するコーヒー市場。本当においしい味が求められる時代の到来

 コーヒー市場にはこれまで3回の波「ウェーブ」※1が押し寄せたと言われており、特にサードウェーブの到来以降は「農園の違い」にまで注目が集まり、さらにスペシャルティコーヒー※2の基準ができてからは高品質のコーヒーが消費者から求められる時代となりました。国内の動向を見てみると、 2013年にセブンイレブンなどコンビニで手軽に買える100円コーヒーが登場してからは、値段の安さと質の高さが爆発的ヒットとなり、日本人のコーヒーの消費量は以前のほぼ2倍になったと言われています。

ドリルドリッパー コーヒー

 コンビニコーヒーが席巻する一方で、最近の日本では、多少値段は高くても落ち着いた雰囲気の店で一味違うコーヒーを味わいたいというニーズも増加してきたことから、注文を受けて1杯ずつドリップするコーヒーの見直し機運も高まっています。「ブルーボトルコーヒー(アメリカ)」のような、焙煎後48時間以内の厳選したコーヒー豆しか使用せず、注文を受けてから1杯ずつ丁寧に入れる品質や入れ方にこだわったコーヒーの人気も相まって、現在では「第4の波(フォースウェーブ)」が押し寄せつつあります。日本のコーヒー品質においても「本当においしいもの」や、「その日のベストな味」を出すことが強く求められており、「栽培方法の違い」や「誰が入れたか」が問われる時代が来ています。

 家庭用コーヒー機材は、ヒット商品が生まれては消える家電市場の中においてもここ数年、右肩上がりで拡大しています。この市場拡大をけん引しているのは、カプセルタイプのエスプレッソマシン、インスタントコーヒー専用の製品、日本茶や紅茶も入れられるドリンクメーカーといった新機軸製品ですが、コーヒーを飲む文化やライフスタイルが定着していることを考えると、日本のコーヒー消費は欧米に近づくことが想定され、まだまだ伸びる余地があるのではないかと考えています。


―フォースウェーブを牽引する存在となるために

 当社は、コーヒーに関わる全てのヒト・モノ・情報をプラットフォームとして展開し、おいしいコーヒーを家庭で飲める環境を日本市場で作っていくことを目指しています。フォースウェーブが上陸しつつある今、消費者のコーヒーに対するリテラシーを高めるため、2018年11月より『DRIP ADVISOR(ドリップアドバイザー)』というウェブサービスのベータ版の提供を開始しました。ドリップしたときのお湯の温度や豆の量などを入力すると、一般的なコーヒーと比較したときの「濃さ」、「酸味」、「苦味」を評価し、自分が入れたコーヒーに関するデータも蓄積していくサービスです。また、実際に飲んだ感想として「濃い」「薄い」「おいしい」などを入力すると、お湯を入れる速さや温度、豆の量など、味や香りをデータで分析し、好みを可視化したアドバイスを提供します。2019年中には正式版の『ドリップアドバイザー』をリリースする予定で、自動的にコーヒーの濃さを測定できるような付属品も発売する予定です。これらの製品・サービスを通じて消費者の興味を喚起し、コーヒー文化のフォースウェーブを牽引していきたいと考えています。

株式会社KOANDRO 代表取締役 大澤 広輔 氏
代表取締役 大澤 広輔氏

※1「第1の波」とは1960 年~1990 年ごろに起こった、大量生産、大量消費を重視したものを指す。「第2の波」とはシアトル系コーヒーチェーンなどの台頭により広がった深煎り高品質の豆を使うコーヒーの時代を指す。「第3の波」は90 年代後半、シアトル系に続くコーヒーカルチャーを指す。

※2消費者の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしいおいしさであり、消費者がおいしいと評価して満足するコーヒーを指す。