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迷わず選んだ「起業」という道。社会と共に成長を目指す。

株式会社SPACER(スペースアール) CEO 田中 章仁氏

 日本においてはまだまだ大学卒業後の進路として企業への就職を目指す人が多い中、あえてその道を選ばず起業した挑戦者を紹介したい。大学在学中から農業や環境における課題に関心があったSPACERの田中代表は、卒業後迷うことなく社会課題の解決に取り組む道を選択した。

 自身最初の取り組みは、都市計画区域の自然環境地率低下に着目したミツバチの飼育を通じた都会の建物における自然回復を試みたプロジェクトだった。ランドマーク都市である銀座を舞台としたこともあり、プロジェクトは数々のメディアで紹介された。また、報道や口コミなどから支援者の輪が広がりをみせると、銀座を代表する老舗菓子メーカー、飲食店などがこぞって屋上で採取されたハチミツを取り扱ってくれることとなり、地域活性のPRとしてもさらなる効果をもたらすこととなった。そして、その後は、全国各地で環境問題の課題における解決を通じた地域活性化の取り組みも行っていたが、東日本大震災で被害のあった福島での活動を通じて、改めて現代社会の中における物流の重要性や、大規模災害時における物流機能の維持を考える契機となった。そして、物流の未来を切り開くためSPACER社を立ち上げたのだ。

 彼が目下取り組んでいるのは、当事者同士が会わずに物の受け渡しができる「近接匿名取引」を可能とした次世代のロッカーサービスだ。物流業界は、少子高齢化に伴う人手不足や過重労働など、問題が深刻化の一途をたどっている。SPACERがECの普及による再配達問題などを解決するカギとなることは間違いないだろう。時代を開拓し、未来を切り開くシリアルアントレプレナー(連続起業家)としてのさらなる挑戦に期待したい。