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“Design ecology and economy for liveable and sustainable society”環境と調和した持続可能な社会への挑戦。

株式会社Andeco 代表取締役 早川慶朗氏

SUMMARY ・「真のスマートシティ」実現を目指して起業 。
・災害時の利活用も可能な『POP UP CART(ポップアップカート)』と『Info Plug(インフォプラグ)』 。
・社名に込めた想い。環境と調和した持続可能な社会へ。

― 「真のスマートシティ」実現を目指して起業。

 急速に進む少子高齢化や人口減少に伴い、日本を取り巻く環境は大きく変化しています。労働力不足、高齢者福祉等の持続可能性不安、地域社会消滅の危機――さまざまな事態が想定される深刻な状況に直面しています。第2次安倍政権においては、東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を上げることを目的とした一連の政策に地方創生が位置付けられました。また、2017年には地方創生に向けた自治体SDGs(持続可能な開発目標)が策定され、地域資源の活用や地域再生、災害への備えなど、日本の未来を見据えた多岐にわたる施策として注目が集まっています。

 起業する前に勤めていた大手企業においてもこれらの社会課題解決のため、安全でスマートな社会づくりへの貢献として都市開発における国家プロジェクトを請け負っていました。私が参画していたプロジェクトでは、主に都市開発における“エネルギーの効率化”をテーマとし、熱の地域融通や、鉄道電力線を利用した送電などの眠れる資産をはじめとするノウハウの有効活用を探るため、大阪の湾岸エリアの広大なスペースにおいてさまざまな街づくりの実験を行っていました。しかし、閑散としたエリアにおいてはいくらエネルギーを効率的に使用したとしても、地域が活性化しません。また、これらは大掛かりなプロジェクトがほとんどであるため長い期間を要することが想定されるほか、まずは大都市圏を中心とした国家戦略特別区域を主なターゲットとしているため、地域間格差が拡大することとなってしまいます。そこで、地域エネルギー政策を十分に確立できていない自治体に対して、大手企業で培ったノウハウと広い視野を武器に、生活インフラ整備を通じた地域活性化による「真のスマートシティ」を実現するため起業を決意しました。


― 災害時の利活用も可能な『POP UP CART(ポップアップカート)』と『Info Plug(インフォプラグ)』

 地域活性化という長年の課題に対し、これまでもさまざまな策が講じられてきましたが、状況は総じて深刻化しています。しかし、昨今、持続可能な地域の創造に向けた新たな動きとして、再生可能エネルギーなどの自然資源をはじめとする多様な地域資源への注目が高まりつつあり、それらを生かした地域づくりが推し進められています。最近では食文化の活用を通じた観光をはじめとする地域ブランディング等の取り組みが見受けられることも多く、「食」は、地方創生における重要コンテンツであると言えます。

 また、「食」の市場動向を見ると、1997年をピークに外食産業は縮小を続けていますが、単身世帯や共働き世帯、高齢者世帯の増加などに伴うライフスタイルの変化によって、お総菜や弁当などをテイクアウトする「中食」の市場規模が拡大傾向にあります。特に東京のオフィスビル街ではスペースを有効活用しながらランチタイムの需要を満たすことができるキッチンカーや移動販売車などの「フードトラック」も多く見られるようになりました。

こうした時代背景のもと、当社では、地域活性化における施策の一つとして、移動販売業の裾野拡大を狙う目的とした『POP UP CART(ポップアップカート)』と『Info Plug(インフォプラグ)』を開発しました。『ポップアップカート』は、いわゆる小型の移動販売カートですが、Wi-Fiの通信機能や電源を内蔵しているため、カートを通信拠点とすることで、公園やイベント会場周辺などで新しい集客効果を生むことが見込めます。また、バッテリーの拡張やPOSシステムの搭載などカスタマイズが可能なため、さまざまな場所とシーンで利用できる汎用性が高く、カートごとのGPSデータやPOSデータの収集による顧客の消費行動などの分析を通じてマーケティングや都市計画の社会実験へ応用することも可能でないかと考えています。『インフォプラグ』は、設置型のWi-fiと電源を搭載したインフラシステムとなっているため、祭りをはじめとする各種イベントなどの電源確保を可能としています。また、『ポップアップカート』『インフォプラグ』ともに、インフラ機能を搭載していることから、災害時の避難場所として活用される防災公園などへ設置することによって、非常用電源としての役割も果たします。


―社名に込めた想い。環境と調和した持続可能な社会へ。

 学生時代建築学を専攻していたことからデザイン分野に興味があったこと、アメリカにあるデザインコンサルタント会社IDEOのような企業に憧れを抱いていたこと、将来、何らかの環境関連のビジネスを手掛けたいと考えていたこと ――。これらの想いを“Design ecology and economy for liveable and sustainable society”「生き活きとした暮らし、持続可能な社会のために、環境と経済活動をデザインする。」という理念に込め、いくつかのメッセージを組み替えて“Andeco”という社名にしました。

 デザインというと、見た目(意匠)的なニュアンスだけに捉えられがちですが、最近、ようやく日本でも“デザイン思考”という言葉が普及してきたように、広義なモノの考え方が理解され始めているのではないかと感じています。また、同時に、環境と経済活動においてもビジネスと環境への考え方が直結する時代になりつつある中で、次の世代のビジネスが環境とどのように付き合っていくのかが一つの哲学でもあるのではないでしょうか。

 まずは、事業を通じてSDGsにおける4つの分野(①成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション、②持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備、③省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会、④生物多様性、森林、海洋等の環境の保全)への貢献を社名の通り当社の直近の目標とし、分野にとらわれることない広義な意味での環境と調和した持続可能な社会の創造を私の人生の挑戦にしたいと考えています。


代表取締役 早川慶朗氏